脳神経外科/脳神経外科センター/正常圧水頭症センター
概要
脳卒中、頭部外傷などの救急疾患をはじめ、脳腫瘍、脊髄脊椎疾患などを幅広く診療しています。また、地域の疾患に対し、地域で治療完結することを目指しています。 脳神経は繊細な組織で、傷がつくと機能が損なわれ、後遺症を生じます。そのような組織を手術で扱う科として、より安全に治療を行うことが非常に重要であると思っています。
特色
私たち脳神経外科医が扱う病気や異常には、非常にたくさんの種類があります。それぞれの病気や異常に対する治療は、やはり手術、とりわけ顕微鏡を用いた精細な手術(マイクロサージェリー)が中心ですが、必ずしも手術に限らず、血管内治療や定位放射線治療といった「切らずに治す」治療法も扱います。さらに、リハビリテーションや、脳ドックなど予防医療の面にも深く関わっています。
当科では従来から
救命救急センター・京都ER
や
脳神経内科
などとの緊密な連携で、頭のけがや脳卒中などに対していつでも対応できる態勢をとってきました。また、
正常圧水頭症センター
を開設して、手術で治せる認知症に積極的に取り組んできました。さらに、この地域の中核的な病院の脳外科として、できる限り幅広い領域に対応でき、かつ高いレベルの診療を提供できるよう、経験豊富なスタッフの充実に努めています。 このような総合的な医療提供体制を整えることが地域の皆さまのご期待に応えることと確信しています。
当科で扱う病気や異常とその治療については、当院ホームページも、ぜひご覧ください。
- 一次脳卒中センターに認定されました
-
2019(令和元)年9月1日、当院は、日本脳卒中学会から一次脳卒中センターに認定されました。
脳梗塞に対して、24時間365日、 t-PA静注療法 が可能であること、頭部CTまたはMRI検査などが可能なこと、常勤の専門医や脳卒中治療チームがいることなどが認定の要件です。これからも脳卒中治療の拠点として、地域の脳卒中患者さんの命を一人でも多く救い、健康寿命の延伸に寄与してまいります。
検査・治療を受ける患者さんへのお願い
当院は、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。2018(平成30)年1月から当科に入院された患者さんの臨床データを解析させていただき、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
また、学会発表や論文作成において、患者さんから得られた画像や検査結果などを使用することがあります。
解析や学会発表・論文作成などに使用するデータは、個人を特定できない形に加工した上で使用しますので、患者さん個人のプライバシーは完全に保護されます。
上記内容に自分のデータが使用されることを望まない方は、総合受付にその旨をお申し出くださいますようお願いいたします。
その他研究事業についての資料の閲覧を希望される方は、
日本脳神経外科学会ホームページ
をご参照ください。
日本脳神経外科学会 データベース事業 事務局
一般社団法人 日本脳神経外科学会
診療内容 ~主な対象疾患と治療方法
脳血管障害
特に脳卒中に対しては、脳神経内科医とも連携し、脳卒中センターとして、急性期血栓溶解療法(tPA静注や経皮的血行再建術)や脳脊髄血管内手術など、最新医療にも対応できるような検査・治療機器を備えています。もちろん、慢性期などの予防的な外科的治療(閉塞性血行再建術、未破裂脳動脈瘤根治術)にも積極的に取り組んでいます。
SCU(脳卒中ケアユニット)のご案内主な治療方法
- 脳梗塞:(頭部)頚動脈ステント留置/内膜剥離術、経皮的頭蓋移行部/椎骨動脈/鎖骨下動脈血管形成術、頭蓋内外血管吻合(バイパス)術
- 脳動脈瘤:開頭クリッピング術、嚢内コイル塞栓術
- 脳動静脈奇形:塞栓術、摘出術
- もやもや病など:バイパス手術など
頭部外傷
頭部外傷には、外科手術のみならず、ICUチームの協力のもとで、バルビツレート昏睡(冬眠)療法などの特殊な治療も可能で、それぞれの病状に応じた治療を行います。
主な治療方法
- 急性硬膜下・硬膜外血腫:除去術、外減圧術
- 挫傷性脳内出血:バルビツレート昏睡療法、低体温療法 など
脳腫瘍一般
手術のほか、化学療法やホルモン療法も可能です。なかでも良性腫瘍に対しては、低侵襲手術を心掛けています。
- 悪性脳腫瘍:転移性脳腫瘍、神経膠腫 など
- 良性脳腫瘍:髄膜腫、聴神経腫瘍、下垂体腺腫 など
三叉神経痛、顔面けいれん、舌咽神経痛
経験豊富なスタッフが、根治的な微小血管神経減圧術にあたっています。
以上のように、機能の温存を優先した、低侵襲性(体への負担が少ない)治療を目指しております。また、全国でもいまだ数少ない日本脳神経血管内治療学会認定指導医が在籍していますので、頭頸部疾患に対しても、耳鼻咽喉・頭頸部外科とともに、直達手術のみならず 血管内治療 も行っています。
特殊外来
特殊外来については下記の治療を行なっております。
特発性正常圧水頭症について痙性まひ
痙性まひに対する薬剤治療バクロフェン髄注療法(ITB療法)を行なっております。 脊髄へ直接、筋弛緩薬(バクロフェン)を作用させることによって、より高い効果の得られる治療方法です。
痙性まひに対する薬剤治療(ITB)医療設備
CT
CTは、最新のDual Source CT(128スライス×2)が導入されています。これによって、短時間での撮影・診断が可能になり、また、脳血管や頭蓋骨のさらに詳細な画像情報が取得できるようになり、大いに診断や手術の助けとなっています。
MRI
MRI(1.5T)は、脳卒中患者さんのほぼ全例に施行しており、緊急時でもdiffusion撮影やMRAを併せて行い、特に脳卒中急性期の診断と治療に力を発揮しています。
3T(テスラ)-MRI装置を2013年11月下旬に導入、稼働しています脳血管造影装置
脳血管造影装置は、Digital Subtraction Angiography(DSA:デジタル差引血管造影法)であり、脳脊髄はもとより、頭頸部の血管内手術にも対応しています。さらに、手術中にも脳血管造影撮影が可能なモバイルDSAが導入され、脳血管外科に威力を発揮しています。
脳血流シンチグラフィー
脳血流シンチグラフィー(IMP-SPECT)にて、脳梗塞の予防的手術の適応や危険性を検討するうえで欠かせない検査も可能となっています。
脳血流シンチグラフィー設備の詳細
- MRI…Siemens: MAGNETOM Skyra 3T & MAGNETOM Avant 1.5T
- CT…Siemens:SOMATOM Sensation 64 & SOMATOM Definition Flash
- DSA…Toshiba:INFINIX CELEVE & Philips: BV Pulsera Rel 2
- RI…Toshiba:ECAM
- US…Philips:SONOS 5500 & ENVISOR C HD
-
others
Nihon Kohden:Neuropack M1 & Neuro f ax EEG-1714
Baxter:INVOS
正常圧水頭症センター(NPHセンター)
正常圧水頭症センター(NPHセンター)については下記よりご確認ください。
正常圧水頭症センター(NPHセンター)SCU(脳卒中集中治療室)のご案内
SCU(脳卒中集中治療室)のご案内については下記よりご確認ください。
SCU(脳卒中集中治療室)のご案内