ケタミン(ケタラール®)の救急外来での使用について

ケタミン(ケタラール®)は鎮痛・鎮静・健忘作用を有し、循環抑制が少ないという特性から、海外(北米・欧州・豪州等)では救急外来(Emergency Room: ER)における処置時鎮静(PSA)として広く使用されています。特に外傷整復、膿瘍切開、脱臼整復、侵襲的検査・処置時において、迅速性・有効性・安全性の観点から確立された薬剤として位置づけられています。

一方、日本国内においては、ケタラール®の添付文書上の使用は主として入院下の麻酔・鎮静に限定されており、ERにおける日帰り処置時鎮静での使用は明確には想定されていません。その結果、ERにおける疼痛・苦痛の強い処置において、十分な鎮痛・鎮静が得られない、あるいは処置困難・患者満足度低下といった問題が生じ得ます。

当院救命救急センターでは、患者安全を最優先としつつ、ER診療の質向上を目的として、国際的に標準化されたPSAの枠組みを参考に、ケタミンのER使用を適切な管理下で導入しております。

【当院で使用する理由】

  • ERにおける侵襲的処置時の疼痛・苦痛を軽減し、診療の質を向上させる
  • 海外で確立されたPSAの安全管理手法を導入し、日本のER診療に適合させる
  • ケタミン使用に伴うリスクを十分に評価・管理し、患者安全を担保する

当院では使用の対象となる患者さんのお一人ずつに説明を行った上で同意をいただきます。
なお、本件について同意をいただけない場合やお問い合わせなどがありましたら、医師またはスタッフへお申し出ください。

洛和会音羽病院 救命救急センター・京都ER