乳がん
乳がんの診断
乳がんは、早期に発見・治療すれば治癒し得る疾患なので、定期的な乳がん検診が推奨されています。当院でも積極的に乳がん検診を行っています。特に、がんが疑われる場合は、マンモグラフィ、超音波、MRIを用いた迅速な診断を行っています。
乳がんの手術
手術は、乳房切除術と乳房温存術がありますが、極力可能な範囲で、乳房温存術を行うように努めています。乳房温存術を施行した場合は、全例で、術後放射線照射を行っています。また、場合によっては、手術前にホルモン・化学療法を行います。これは、抗がん剤に対する感受性を確認したうえで、がんを縮小させ、乳房温存療法が行えるようにすることを目的にしています。
センチネルリンパ節生検
以前は乳がん手術の大部分で、腋窩リンパ節郭清が行われていましたが、術後に、患側上肢のむくみ、しびれ、違和感などの合併症に悩まされることが少なくありませんでした。そこで、腋窩リンパ節郭清省略の可能性を判定するため、小さな傷で腋窩リンパ節転移の判定ができるような手技が開発されました。それがセンチネルリンパ節生検です。当科でも、2006(平成18)年6月より行っています。すでに60例以上を経験し、センチネルリンパ節転移の同定・診断能力が十分であることは実証できていると考えています。
ホルモン・化学療法と分子標的治療
術後のホルモン・化学療法と分子標的治療は、世界標準であるスイス・ザンクトガレン・カンファレンスのガイドラインに従って行っています。ホルモン療法は5年間、化学療法は半年間、分子標的治療は1年間行います。