そけいヘルニア・大腿ヘルニア

そけいヘルニア・大腿ヘルニアとは

そけいヘルニアとは、一般に脱腸とも言われ、太ももの付け根(そけい部)の腹壁の弱くなった部分から腹膜が突出してヘルニア嚢と呼ばれる袋ができ、その中に腸などが脱出してくる病気です。小児のそけいヘルニアは、精巣が陰嚢まで移動する過程で、腹膜が一緒におりて、袋状に残るために発生するもので、原因は先天的なものです。大腿ヘルニアは、大腿輪という脚につながる血管や神経が通る、トンネルの入り口が広がってしまい、そこから腹膜が伸びてヘルニア嚢ができるもので、そけいヘルニアよりやや脚に近い所にふくらみができます。 いずれも、当科では、全身麻酔下でヘルニア根治手術を行っています。手術では、腹壁の弱くなった部分を、ポリプロピレンメッシュ(PHS)という人工の網をあてることによって補強しています。網をあてた患部は、そけい部に緊張がかからず、創部の不快感が少なくなり、再発の危険も小さくなります。この手術は、通常、2泊3日または3泊4日の入院で可能です。