消化器内科 / 消化器内視鏡センター

概要

飯沼 昌二
消化器内科・内視鏡センター センター長 兼
病院長特別顧問(消化器内科担当)
飯沼 昌二

消化器内科は臓器として食道、胃、小腸、大腸の消化管と、肝臓、胆道(胆嚢と胆管)そして膵臓を担当しています。各臓器の精密検査および専門治療を各領域の専門家が中心となり、質の高い医療を提供できるよう、幅広く患者さんを受け入れるよう努めております。
消化器がんを内視鏡、超音波、血管造影などで治療しておりますが、手術や放射線もしくは化学療法が必要な患者さんには、消化器外科、腫瘍内科、放射線治療の医師と連携をとり、患者さんそれぞれに適した治療を組み合わせて行なっております(集学的治療)。
また、安心して生活できるように“かかりつけ医”との連携を大事にしておりますので、何か消化器でお困りのことがありましたら何なりとご相談ください。

2021年5月から第2、第4土曜日の胃カメラと大腸カメラ検査をはじめました。

ご希望の方はぜひご相談ください。

外来での内視鏡大腸ポリープ切除が可能となりました。

(1cm以上のポリープ切除の場合:検査後に改めて、2泊3日の入院にて切除することとなります)

早期発見で消化管のがんは怖くない

特色・取り組み

  • 消化管部門:早期食道・胃・大腸がんの内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)、大腸憩室出血に対するEBL(バンド結紮術)など
  • 肝臓部門:肝がん、肝腫瘍の診断治療、C型肝炎、B型肝炎の治療
  • 胆膵部門:膵がん、胆道がんの診断治療、悪性胆道狭窄に対する各種ドレナージ術、膵仮性嚢胞ドレナージ術
  • 炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎、クローン病の診断治療など

治療について

消化管部門

  • 食道、胃、大腸の粘膜内にとどまっている早期癌に対しては、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行っています。内視鏡の診断能の向上させるために内視鏡治療後は内視鏡写真と病理組織像の対比を行っています。
  • 大腸ポリープは小さいものは外来切除が可能ですが、大きいもの(1cm以上)につきましては2泊3日の入院をしていただいております。
  • 消化管出血については、一般的な内視鏡的止血術の他、憩室出血ではEBL(バンド結紮術)による止血術を積極的に行い、良好な成績を得ています。
  • また、原因不明の消化管出血の患者さんに対しては、ダブルバルーン内視鏡、カプセル内視鏡を用いて、原因の検索を行っています。
  • 進行癌の患者さんに対しては、手術、化学療法、放射線療法のうち最適な治療法を提案できるよう、消化器外科、放射線科、腫瘍内科と連携を行っています。
  • 腫瘍による消化管の狭窄で嘔吐や腸閉塞などになった患者さんには、食道、胃十二指腸、大腸の消化管ステント留置術を行っています。

胆膵部門

当院では経験豊富な胆膵専門医の元で、膵・胆道癌の早期発見を目指し、日々精度の高い画像診断と内視鏡治療に力を入れています。
内視鏡治療は、胆管結石治療、慢性膵炎に対するステント治療、乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除術、胆管狭窄に対するプラスチックステントや金属ステントを用いた胆管ステント治療、感染性膵仮性嚢胞に対する超音波内視鏡下ドレナージ術、超音波内視鏡下胆管・膵管ドレナージ術など、先端の治療を行っています。 悪性疾患につきましては、術前の各種画像診断で臨床病期を決定した後に外科とのカンファレンスで治療方針を決定し、適切な治療を行っています。定期的に若手医師向けに画像診断や内視鏡手技について勉強会を開催し、画像診断・内視鏡手技能力の向上に努めています。
当院主導の臨床試験のほか、全国で行っている多施設共同臨床試験にも複数参加しています。

肝臓部門

肝癌治療

経皮的穿刺治療(経皮的エタノール注入療法(PEIT)、ラジオ波焼灼療法(RFA)を施行しております。適応は原則Stage1ではRFA単独治療を第一選択、それを超えるものについても侵襲度、治療効果、合併症を勘案し肝動脈化学塞栓療法(TACE)を併用しながら3cm、3個程度までを適応としています。

肝炎治療

肝硬変への進展抑制、肝発がん予防の観点から、慢性肝炎の制御は重要ですが、近年の抗ウイルス療法の急速な進歩によりウイルス性肝炎は完全制御の時代に入りつつあります。

  • B型肝炎に対する核酸アナログ投与例は198例で、ほぼ全ての症例で非活動性の状態にコントロールされています。若年者ではPEGインターフェロンを使用することにより長期的にはdrug freeの状態でコントロール出来るよう治療を試みています。
  • C型肝炎治療は2014年9月以降DAA(Direct-acting Antiviral Agent)を2剤使用するいわゆるインターフェロンフリー治療に急速に移行しました。炎症・線維化の程度、発癌のリスク、腎機能、心機能、HCV薬剤耐性を考慮し、治療薬の選択・適応を考慮しながら治療しています。

炎症性腸疾患分野

軽症から中等症の活動性を有する潰瘍性大腸炎に対し、5-ASA製剤やステロイド製剤の他、血球成分除去療法を積極的に導入することにより比較的副作用の少ない治療法による寛解導入を目指しております。一方、重症症例に対しては、タクロリムスなどの免疫抑制剤やTNF-α抗体製剤などの治療法を用い、大腸全摘術を回避するよう努めております。生物学的製剤の登場により、IBD患者の予後、QOLは大幅に改善しましたが、その一方で難治症例の出現や医療費の高騰など様々な問題が挙がっております。クローン病については日本独特の厳格な栄養療法ではなく、ステロイドの他、免疫抑制剤や抗TNF-α抗体製剤を積極的に用い、できる限り日常生活を続けながら外来で治療できる体制をとっています。

消化器系救急疾患への対応

急性腹症をはじめとした消化器系救急疾患には、当院の 救命救急センター・京都ER 外科 と連携して、24時間体制で対応しています。

肝臓専門外来

肝臓は沈黙の臓器と言われており、自覚症状がでないまま病気が進行していることもあります。アルコールをよく飲まれる方、薬剤を長期服用している方、糖尿病や肥満の方は 肝臓専門外来 を受診ください。

診療日時 第1、3水曜日 午前8時30分~正午

大腸内視鏡検査を受けられる方へ

当院にて、大腸内視鏡検査を受けられる方で、検査当日に病院で下剤を飲む場合の注意を動画で案内しております。