心不全ってどんな病気?

心不全とはさまざまな心疾患により心臓のポンプ機能が低下し、全身へ血液をうまく送り出すことができなくなることで、息切れやむくみが起こり、だんだんと悪くなり生命を縮める病気です。
心臓のポンプ機能が低下する原因は、高血圧・不整脈・虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)・心筋炎・弁膜症・先天性心疾患などの心疾患の他に、甲状腺疾患や腎疾患などもあります。

心不全ってどんな病気?

症状

一概に心不全といっても原因や症状は人それぞれで異なります。
心臓のポンプ機能が低下することにより、全身や肺に水分が溜まり、下記のような症状が生じます。

息切れ・動悸

今までは問題なかった動作(坂道歩行や階段昇降など)で息が切れてしまう。

夜間の呼吸困難感

横になると息苦しい、布団に入ってしばらくすると苦しくて起きてしまう。咳・痰がよく出る。

むくみ

足や顔(瞼)に生じることが多い。靴下の跡が深く残ったり、靴がきつくなる。

体重増加

1週間で2kg以上体重が増加する。

特に息切れ・足のむくみ・体重増加は心不全患者さんで頻度の多い初期症状のため、これらの症状が出現した際には早期受診が必要です!

予防について

悪化の原因の上位に、水分や塩分・内服薬の不徹底が挙げられるため特に注意が必要です。また、悪くなった場合は早期に発見し、受診をすることが心不全管理の中で最も重要です。

予防について

水分、塩分管理

心臓の機能が低下している状態で多量の水分を摂取してしまうと、全身へ血液を送り出すポンプ機能がうまく働かなくなります。内服されている薬にもよりますが、大体の目安は1000ml〜1500ml /日程度です。
また塩分管理も重要になります。塩分を取りすぎると喉が渇き、水分摂取量が増加します。さらに体内の塩分濃度が濃くなることで、尿量が減少し体内に水分が溜まりやすくなり、心臓に負担がかかります。

内服薬

患者さんに処方される薬(降圧薬・利尿薬・心保護薬など)は数が多いですが、全て重要な薬です。しかし症状が一時的に改善することや利尿作用にて頻回にトイレへ行かなければならないことなどから、薬を自己中断されることも多く、心不全悪化の原因の一つになります。
確実に服薬することが心不全をコントロールしていく上で重要になります。

血圧、体重管理

自宅でできる体調管理の一つとして血圧・体重管理があります。当院では心不全手帳を用いて通院・入院患者さんへ指導を行っています。普段の数値を自身で把握することで、悪くなった際に気づくことができるため大変重要です。
また外来受診の際に持参していただくことで自宅での値を把握でき、薬の調整にも役立ちます。

感染予防

風邪などが原因で心臓に負担がかかり、心不全が悪化することもあります。日頃から手洗い・うがいを徹底することが大切です。

当院では 心不全看護外来 を実施しています。
お困りの際は早めにご相談ください!