腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎の間でクッションの役割を果たす椎間板が後方に飛び出し、神経を圧迫することで、腰痛・坐骨神経痛が生じる病気です。足がしびれて痛み、麻痺(まひ)することもあります。足が麻痺してきた場合は、早期に手術を行います。
椎間板ヘルニアは、自然吸収されて良くなることも多く、3カ月程度、保存的に治療します。保存療法により十分な改善が見られないときには、手術用顕微鏡を用いて椎間板ヘルニアを取り除く手術を行います。
排尿・排便障害を生じた場合は、緊急の手術が必要です。

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腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの病態別分類

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  • 膨隆 (protrusion)

    後方線維輪の裂隙部に骸核の一部が移行するが、表層の線維輪は損なわれず、線維輪の部分断裂の状態。

  • 脱出 (subligamentous extrusion)

    後方線維輪の裂隙中に骸核の一部が転位し、後縦靱帯を持ち上げるも、後縦靱帯を穿破していない。

  • 脱出 (transligamentous extrusion)

    骸核の一部が後縦靱帯を破り、ヘルニアが自噴した状態。まれに癒着した硬膜をも破り、硬膜外に脱出することもある。

  • 遊離 (sequestration)

    脱出型ヘルニアで、ヘルニア腫瘤が元の椎間板から離れて脊柱管内に転位したもの。症状が強く、手術になることが多いが、遊離して、神経根および硬膜に対しての圧迫が減少することもある。

顕微鏡下椎間板ヘルニア摘出術

約4cmの皮膚切開を行います。顕微鏡で拡大しながら安全に椎間板ヘルニアを切除します。手術時間は約1時間で、出血もほとんどありません。内視鏡を用いた手術よりも、安全で確実です。

顕微鏡下椎間板ヘルニア摘出術

腰椎椎間板ヘルニア症例(31歳女性)

  • 症状:腰痛と右下肢痛のため、夜も寝られない。
  • 第4/5腰椎椎間に巨大な椎間板ヘルニアを認め、椎間板ヘルニア摘出術後は、痛みは消失しました。
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