脊椎センター
洛和会音羽病院 脊椎センター 紹介動画
日本人の平均寿命が延びる一方で、いかに健康で暮らせるかという「健康寿命」がますます大切になってきています。そんな中、脊椎に何らかの障害があると、運動器の機能に影響し、ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)などを引き起こす原因となり、健康寿命にも影響を与えます。
当センターの
岩下医師
が、脊椎の治療やこのほど導入した医療機器「CORE-VISIONコアビジョン3D」を使った、正確な手術について説明します。
高度で先進的な脊椎・脊髄診療
脊椎・脊髄疾患はロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)の原因疾患の一つで、悪化すると要介護状態となる危険性があります。要介護状態にならずに健康寿命(心身ともに自立して日常生活ができる生存期間)を少しでも長く維持できるように、早期診断・早期治療が必要です。
近年、脊椎・脊髄外科はCT、MRIなどの画像診断技術の進歩により目覚ましく診断能力が向上し、手術技術も以前と比較して飛躍的に進歩したため、より安全性の高い手術が可能となっています。 当院の脊椎センターでは4人体制で、脊椎外傷から慢性疾患まで、あらゆる脊椎・脊髄疾患に対して、幅広く高度な先進的医療を行っています。
病状と治療方法、それに伴うリスクを詳しく説明いたしますので、納得したうえで安心して治療を受けていただけるよう心掛けています。脊椎の病気でお困りの方、手術を受けるかどうかで悩んでおられる方は、お気軽にご相談ください。
診療方針
- 運動療法、薬物療法、神経ブロック、コルセット装着など、十分な保存的治療を行います。
- 十分な保存療法を行っても疼痛が激しく、日常生活に支障を来している患者さんには、手術治療を検討します。
- 足が麻痺(まひ)したり、膀胱直腸障害のあるときには、なるべく早く手術をします。
除圧手術
神経の圧迫を取り除くためには、脊椎の骨を一部切除しなければなりませんが、あまり大きく切除すると、脊椎が不安定になって体を支え切れなくなってしまいます。そのため、骨切除を最小限にして、十分な神経の除圧をする必要があります。手術を安全・確実・低侵襲(しんしゅう)に行うために、多くの場合、手術用顕微鏡を用います。
矯正・除圧・固定手術
脊椎の不安定性が著しい場合や、脊椎の支持性が消失した場合、あるいは脊柱の変形が重度な症例に対して行います。その際は、通常、チタン合金製の金具を用いて、変形した脊椎を矯正して固定し、骨移植を行います。適応のある症例には、CBT法や経皮的椎弓根スクリューなどを用いる低侵襲な手術を行い、早期離床・早期リハビリを図っています。
主な対象疾患
頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症、頸椎後縦靭帯骨化症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、変形性脊椎症、脊柱側弯症、脊髄腫瘍、脊椎圧迫骨折、脊椎外傷
手術用ナビゲーションシステム
洛和会音羽病院に手術用ナビゲーションシステムを導入し、脊椎外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域において、より精度の高い手術を安全に行うことができるようになりました。
手術用ナビゲーションとは、コンピューター支援手術(CAS:Computer Assisted Surgery)の一つで、手術部位と手術器具の位置関係をリアルタイムで知らせる装置のことです。「ナビゲーション」というと、カーナビゲーションを連想される方も多いと思います。カーナビゲーションは、GPSという人工衛星を用いた地球規模の位置測定システムをもとに、現在の場所を割り出して地図上の位置に表示しますが、これと同じように、手術用ナビゲーションシステムでは、手術室内に設置した赤外線センサーを用いて手術器具の位置測定を行い、コンピューター処理して、術前あるいは術中に撮影したレントゲン写真、CT、MRIなどの画像、すなわち患者さんの“体の地図上”のどこに当たるかを表示するシステムです。
手術用ナビゲーションシステムを用いて、術中被曝線量を軽減して、手術中にリアルタイムに解剖学的な位置確認をすることにより、これまで以上に安全で確実性の高い手術治療を行ってまいります。
スタッフ紹介
名前 | 岩下 靖史(いわした やすし) | |
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役職 | 院長補佐 脊椎センター センター長 兼務 | |
生年月日 | 昭和32年6月2日 | |
趣味 | テニス、ゴルフ、ジョギング、スキー | |
出身大学 |
京都大学医学部医学科 昭和58年卒 京都大学大学院医学研究科博士課程 平成6年修了 |
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専門分野 | 整形外科学全般、脊椎・脊髄外科学 | |
専門医認定・資格など |
日本整形外科学会整形外科専門医/脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医/脊椎脊髄外科専門医 中部日本整形外科災害外科学会(評議員) 日本医師会認定産業医 臨床研修指導医 医学博士 |