腰椎すべり症
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは、椎間板や椎間関節の加齢変性に伴い、腰椎が前にずれた状態です。
腰椎変性すべり症症例(63歳女性)
- 症状:第4腰椎と第5腰椎の間で椎間板が変性し、高度のすべりが生じて神経を圧迫していたため、強い腰痛と下肢痛がありました。
- すべりを整復して固定することにより、痛みなく歩行できるようになりました。
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第4腰椎分離すべり症症例(43歳男性)
腰椎分離症は、成長期の少年に多く、激しいスポーツなどが原因で疲労骨折が起こり、腰椎が分離した状態です。腰椎すべり症に進行することもあります。 成長期の激しいスポーツが原因の場合は、運動の休止とコルセットの装着を行います。腰椎分離すべり症による強い腰痛と下肢痛のため日常生活に支障がある場合は、すべりを整復して固定する腰椎除圧固定術を行います。
CBT(Cortical Bone Trajectory)法
2009(平成21)年にSantoni、Hynesらが報告した、内側から外側へ、尾側から頭側へ刺入する腰椎椎弓根スクリューの方法です。スクリューと皮質骨との接触面積が最大限に得られ、従来の刺入法と同等以上の固定強度が得られると報告されています。
CBT法の利点
- 内側から外側に向かって刺入するため、傍脊柱筋の展開が少なく、低侵襲。神経根後枝内側枝の損傷を回避できる。(筋肉量、脂肪組織の多い患者でも、スクリューを入れやすい)
- 皮質骨と接触する面積が大きいため、骨粗鬆症患者でも固定力が強い。
- スクリューが椎体内に大きく刺入されないため、化膿性脊椎炎、転移性脊椎腫瘍症例に使用できる。
CBT法の欠点
- 従来のPSと比べて、ターゲットゾーンが狭い。
- 第3腰椎より上位腰椎は、スクリュー刺入点に注意を要する。
- スクリュー刺入点の椎弓と椎弓根部を骨折する危険性がある。
再発性L4/5腰椎椎間板ヘルニア症例(50歳男性)
- 症状:強い腰痛と下肢痛がありました。
- 第4腰椎と第5腰椎の間で椎間板を切除し、CBT法を用いて固定することにより、痛みなく歩行できるようになりました。