頸椎症性脊髄症
頸椎症性脊髄症とは
加齢に伴う頸椎の変形により脊髄が圧迫されて、手足の知覚運動障害が生じる病気です。
- 上肢への放散痛
- 手指のしびれ感、感覚鈍麻(どんま)
- 手指の巧緻(こうち)運動障害(箸が使いにくい、書字困難、ボタンが掛けにくい)
- 下肢の痙性麻痺(まひ)による歩行障害(速歩困難、転倒)
- 膀胱症状(頻尿、排尿遅延、尿勢低下、残尿感)
投薬、理学療法などの保存療法で軽快しない場合は、脊髄の圧迫を取り除く手術を行います。頸椎の後方から行う頸椎椎弓形成術と、前方から行う頸椎前方除圧固定術があります。通常は、頸椎カラーを装着して手術翌日から歩行可能です。
頸椎椎弓形成術
頸椎深層伸筋を付着させたまま刺突起を縦割して展開します。手術用顕微鏡視下で、椎弓を正中で切断、椎弓の両側方に溝を作製し左右に展開し、脊柱管を拡大して脊髄の圧迫を取り除きます。これは、術後頸椎の弯曲異常や疼痛が少ない低侵襲手術で、早期離床が可能です。
頸椎症性脊髄症症例(60歳男性)
頸椎の変形により脊髄が圧迫されて、手足の運動知覚障害が生じていました。頸椎後方の骨を形成して脊髄の圧迫を取り除く、頸椎椎弓形成術を行いました。