実際の腹腔鏡下噴門側胃切除について

胃がん

食道下部小弯側の早期がんですが、大きさが4cm以上になると4人に1人はリンパ節転移が認められるようになるため、リンパ節郭清(かくせい)はしっかり行う必要があります。

実際の手術の写真

  • 腹腔鏡下噴門側胃切除の実際の手術の写真1

    脾(ひ)動脈周囲のリンパ節を脾臓(ひぞう)に向かって郭清しているところです。

  • 腹腔鏡下噴門側胃切除の実際の手術の写真2

    腹腔動脈の周囲を郭清しています。

  • 腹腔鏡下噴門側胃切除の実際の手術の写真3

    胃が残っているように見えますが、術後の透視画像です。仰向けになっている状態ですが、白く写る造影剤で食道に逆流しにくいようになってることがわかります。できるだけ逆流を防ぐために、15年ほど前から工夫して再建しています。

肝転移の切除

転移は、手術の際に同時に見つかることもありますが、残念ながらそのときに見つけられなかった肝臓へのがんの転移が、術後しばらくして見つかることがあります。根治のためには、切除するのが最良の治療です。大腸がんの肝転移では、肝機能が保たれている限りあきらめずに何度でも切除する方針です。この10年間は拡大肝切除以外、ほぼ無輸血で肝切除を行っています。
胃がんでも、単発(ひとつだけ)の初回同時切除例では今までに6例あり、5年の生存を経験しています。多数の転移が見つかり、取りきれない場合もありますが、その際は化学療法を行います。