認知症治療病棟
認知症治療病棟とは
精神保健福祉法に基づいた、認知症高齢者の方を対象とした病棟です。認知症のある高齢者の方で、日常生活行動に支障が見られ、自宅や施設での介護が困難な方を対象としています。認知症の方の特性を十分に考慮したうえで、寄り添う看護・介護を行っています。 認知症の治療だけでなく身体管理や状態変化時のバックアップ体制もあり、「その人らしく過ごしていただく」ことを目指しています。長期の療養を前提とするものではありませんが、入院中から、退院後の療養についてもご相談をお受けします。
ケア方針
- 一人一人の生まれてきた人生を尊重し、その人らしさを大切にしたケアを提供します。
- 認知症があってもその人らしい生活をしていただけるよう、より良い環境を提供します。
- 患者さんとそのご家族が安心して療養していただけるよう、多職種、他部門と連携し、協力していきます。
アクティビティー・ケア
認知症治療病棟では、アクティビティー・ケアを行っています。アクティビティー・ケアとは、認知症のある高齢者が、病院や施設の環境においても食事や入浴などの日常生活と、外出や旅行などの非日常生活を組み合わせ、認知症になる前の当たり前の生活に近づけるように援助することをいいます。アクティビティーは「アートセラピー」「作業療法」「回想法」「音楽療法」を治療の柱として行っています。
アートセラピー
アートセラピーは、心理療法のひとつです。患者さんがセラピストとの信頼関係のもと、絵具、クレヨン、粘土などで絵画や造形制作に取り組むことで、心のうちを視覚的に表現することを可能にします。また、表現することで心に抱えている問題を開放させ、問題の解決につながることもあり、心身のバランスを保つセラピーです。リラックス効果や感覚刺激を与えることができます。
作業療法
作業療法は、「集団訓練」と「個別訓練」を行っています。患者さんに合わせて、体操やレクリエーション(壁面飾りなどの創作活動、ゲームや歌、裁縫や編み物、園芸など)を行います。また、立ったり歩いたりなどの基本動作、食事や排泄などの日常生活動作の能力を維持できるように、安全な方法で行います。さまざまな活動を通して楽しい時間を過ごしてもらうことで、不安やイライラ感、孤独感の軽減や社会性の回復をめざしていきます。 さらに、入院から1カ月間は、個別にリハビリテーションを行います。
回想法
数人のグループでお茶を飲みながら懐かしい思い出を語り合う「集団回想法」やお一人お一人とじっくりお話をする「個人回想法」を行っています。子供の頃の遊びについて話すことで楽しい気持ちになったり、子育てや仕事など自分が努力したことを話すことで誇らしい気持ちになったりします。参加者同士で話題を共有し、感情を分かち合うことで、互いに癒されたり、気持ちを整理することができるように、心理士がお手伝いします。
音楽療法
音楽には私たちの心を落ち着かせ、笑顔にし、時には涙を誘い、また記憶や思い出を呼び起こし、魂を奮い立たせる力があります。病棟では専任の音楽療法士と作業療法士が共同で毎週「歌の会」を実施しています。歌唱や楽器演奏、音楽鑑賞などの楽しみを通じて患者さんの自己表現力やコミュニケーション力、身体機能面の維持・促進できるようプログラムを組んでいます。また患者さんのニーズに合わせて集団と個別に分け、より「その人らしさ」が表れるようなセラピー環境をつくります。