早期発達⽀援⼠の資格をもつ看護師が、ご家庭でのお子さんとの関わり方や、個別のペアレントトレーニングなどを行います。
こころと発達の子ども相談外来
こんな困りごとや心配はありませんか?
友達のこと
- 相⼿の気持ちが考えられない
- 状況に関係なく⾃分の好きなことをする
- 友達の輪に⼊りにくい
- クラスメイトとケンカをよくする
生活のこと
- 注意を聞かない
- かんしゃくを起こす
- きょうだいゲンカが多い
- 忘れ物が多い
睡眠のこと
- 日中に寝すぎる
- 朝の支度が遅い
- 朝起きられない
- 夜遅くまで起きている
勉強のこと
- 授業中に立ち歩く
- 授業中にぼうっとする
- 勉強についていけない
- 授業中におしゃべりをする
運動のこと
- 手先が不器用
- ハサミが使えない
- 字が汚い
- 姿勢が悪い
- ボール投げやかけっこが苦手
こころと発達の子ども相談外来とは
- ⾝体と⼼の困りを⼩児科医が、⼼理師と協⼒して診察します
- ⼼理検査をして、お⼦さんの困りがどこから⽣じているかを理解し、困りに応じた対策を考えます
- 作業療法士・言語聴覚士によるリハビリ外来、ペアレント・トレーニング、⼼理カウンセリング、家族会など様々なアフターケアを⽤意しています
対象年齢は?
おおよそ4歳〜15歳までです。15歳以上は当院精神科を受診ください。
外来診療の流れ
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予約
予約センターに電話し、予約をとります。
電話交換手に「こころと発達の子ども相談外来をはじめて受診した」とお伝えください。
予約のお電話をいただいてから、1週間程度を目安に当院よりお電話を差し上げ、受診方法についてのご説明をさせていただきます。 -
問診票に記入
ご自宅に問診票とアンケート用紙が郵送されます。
ご自宅でご記入頂いた問診票・アンケート用紙は初診日に必ずご持参ください。(前もって当院に郵送して頂くことも可能です。
※当院に郵送される場合の代金はご自身でご負担願います)問診票をダウンロード します。
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初診
小児科医、臨床心理士、看護師同席のもとお子さんの困りごとや受診理由などを伺います。
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心理検査
臨床心理士による心理検査を行います。
お子さんやご家族の困りごとの内容に合わせてさまざまな心理検査を実施します。 -
検査結果説明
小児科医と臨床心理士による検査結果の説明を行います。
今後の治療、学校などとの連携について相談します。
必要に応じて、お子さんに適した他機関をご紹介します。
初診時にお持ちいただくもの
- 保険証
- 紹介状(お持ちの方)
- 母子手帳
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問診票に記入
- 下記よりダウンロードできますので、可能な方はご記入のうえ、ご持参ください。
診療時間
初診日 | 水曜日 | 午後1時、2時、3時 |
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木曜日 | 午後1時、2時 | |
心理検査 | 月~土曜日 | 午前9時~午後4時 |
検査結果説明日 | 月~金曜日 | 午前9時~午後4時 |
- 初診時は時間に余裕をもってお越しください。
- 心理検査の日程は、行う心理検査の数や種類によりますので、臨床心理士と相談しながら進めます。
- 場合によっては、複数回ご来院いただくことがあります。
費用
子ども相談外来の診察は、保険診療で受けられますが、一部の心理検査や心理検査結果の文書作成料は自費となります。
各種アフターサポート
こころと発達の⼦ども相談外来では、結果説明後のサポートも充実させています。
ご本⼈やご家族のニーズに合うようなサービスをご⽤意していますので、ぜひご利⽤ください。
ご家族相談外来
心理カウンセリング ※自費診療
ペアレントトレーニングや、お⼦さんの発達相談をご希望の⽅は
ぜひご利⽤ください。⼼理カウンセリングの詳細は、
臨床⼼理室
のページをご覧ください。
作業療法士によるリハビリテーション
作業療法⼠によるリハビリテーションを受けられます。鉛筆が正しく持てない、お箸の使い⽅が苦⼿など⼿先の細かな動きや、⾝体全体のバランス感覚などを、リハビリテーションを通して整えていきます。
言語聴覚士によるリハビリテーション
言葉の遅れや発音、読み書きの問題、他者とのコミュニケーション等、集団生活の困り事について、検査やトレーニング、アドバイスを行います。
学校との連携支援
⼦どもさんの⽀援には、学校での合理的配慮が必要なことがあります。
お⼦さんの困りや当院で受けていただいた検査結果を学校に理解していただき、お⼦さんが⽣活場⾯で⼗分なサポートを得られるように⽀援します。 京都市、⼤津市など近隣の⼩中学校と連携の実績があります。
年に1〜2回学校の先⽣向けの研修会を開き、⽇頃から連携しやすくなるような取り組みをしています。
Q&A 発達のことを聞いてみよう
発達障害について
発達障害の捉え方
発達障害といわれるものは、いくつもあります。
自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、学習障害(LD)、知的発達障害(ID)などです。 こうした発達障害はスペクトラムという考えで捉えられています。
スペクトラムとはそれぞれの発達の症状は明確に切り分けられず、連続的につながっているという意味です。 したがって、いくつもの発達障害が重なりあっている場合もあります。
発達障害と聞くと、障害であるので治さないといけないと考えがちです。 しかし、誰もが「正常な」発達だといえるのでしょうか。発達障害を伴うと社会生活上で困ることが増え、お子さんの自信や自尊感情が下がることがあります。
むろん、こうした状況に対しては、適切なサポートを届ける必要がありますが、「治す」のではなく、お子さんの発達特性を「認め」、多様性のなかで、お子さんが活き活きと自分自身の能力を発揮できる環境を提供し、自信をもって自立した生活ができるように支えることが大事であると考えます。
発達障害の種類
自閉スペクトラム症
強いこだわりの症状や、コミュニケーションの苦手さが特徴です。
こだわりの強さから予定の急な変更が苦手であったり、コミュニケーションの苦手さから状況に応じた場面の理解が苦手でついつい思ったことを言ってしまうため、 人間関係で困りを抱くことがあります。
注意欠如多動症
注意の散漫さや落ち着きなく衝動的な行動が特徴です。忘れ物や聞き逃しが多かったり、機械仕掛けのように絶えず動き続けていたり、 待てずにすぐに行動しまうため道路に飛び出して事故に遭いそうになることもあります。
学習障害
読み、書き、計算のいずれかの習得が難しく、学習が思うように進まないことを特徴とします。
成績を維持するために、宿題に一日の大半の時間を費やしたり、漢字の書き“だけ”、読みの流暢さ “だけ”というように特異的に学習のためのスキルに困難さがみられます。
知的能力障害
全般的な発育発達が遅れている状態です。乳幼児健診の時から発話や様々な行動の習得に遅れがみられることがあります。
発達障害かどうかが分かるまで
発達障害かどうかの診断を求めて来院されるご家族、お子さんが多いですが、すぐに診断を下すことを控えています。
お子さんの成長・発達などの様々な要因を考えて慎重に発達障害の有無を判断する必要があるからです。これは誤診を少なくし、適切な支援を行うために必要なことだと考えています。
問診や心理検査を行い、お子さんの発達状況を総合的に判断します。
当院ではWISC-Ⅳ、KABC-Ⅱ、ADOS2など発達のアセスメントに役立つ検査を多数そろえ、お子さんの様子に合わせて実施しています。
発達障害をもつお子さんへの支援
お子さんの支援には多面的なアプローチが必要です。
当院では学校との連携も含め、院内外のリソース(お子さんをサポートするための資源)を活用しています。
当院では投薬治療も行っています。お子さんの困りやニーズを踏まえ、慎重に実施しています。
また、投薬のみで発達障害で引き起こされる様々な問題の根本治療は望めませんので、例えば落ち着きがない行動をするお子さんに対して即投薬という安易な投薬治療はしておりません。
お子さんの発達特性に応じたサポートを導入することは大切です。当院ではリハビリテーション部での外来や心理カウンセリング、家族相談外来(当ホームページ各種アフターサーポート参照)をご案内しています。
その他、放課後児童デイサービス、通級指導教室、言葉と聞こえの教室、特別支援教室の利用などの利用を考えるとよいでしょう。