間質性肺炎
間質性肺炎とは、肺が炎症を起こして線維化を生じ、咳が出たり息切れが生じたりする病気です。膠原病に合併したり、薬剤やカビ、羽毛などのアレルギーを原因として生じたりすることもありますが、原因不明(特発性間質性肺炎)のこともあります。
診断のためには、胸部X線検査やCT検査以外にも、採血検査や肺活量検査、6分間歩行検査などで、多くの情報を集める必要があります。さらに、気管支鏡検査や開胸肺生検(全身麻酔をかけたうえで肺の一部を採取する)による肺組織検査を行い、 放射線科 や 病理診断科 の医師とも協議を行ったうえで総合的に診断します。
間質性肺炎の治療
原因がはっきりしている場合
薬剤性など原因のある間質性肺炎の場合は、原因を取り除くだけで良くなる場合もありますが、ステロイド薬や免疫抑制剤を用いて肺の炎症を抑える治療がしばしば用いられます。これらの薬剤を長期間にわたって使うことが多く、副作用にも注意が必要ですので、医師と相談しながらじっくりと治療に取り組んでいただきます。
特発性間質性肺炎(原因がわからない)の場合
特発性間質性肺炎の場合は、これまでは有効な治療薬がなく、時間とともに進行する病気とされてきましたが、最近になって病気の進行を遅らせる薬が開発されました。また、特定疾患の申請を行うことにより、医療費が免除となる可能性もあるため、心当たりのある方はご相談ください。
特発性間質性肺炎として認定されるために
特発性間質性肺炎として特定疾患に認定されるためには、アレルギーや薬剤などの原因がないこと(=特発性)が条件となります。さらに、外科的肺生検(全身麻酔を行って肺の組織の一部を取り出して調べる検査)による肺の組織検査が必要です。ただし、特発性間質性肺炎にもいくつか種類があり、そのうち、胸部CTの所見が非常に特徴的である「特発性肺線維症」であると判断されれば、外科的肺生検は必要とされません。
「特発性間質性肺炎」と認定を受けられた場合も、その重症度によって医療費助成の程度が変わります。重症度は動脈血液ガス分析や6分間歩行テストなどの検査結果を踏まえて決定されます。