呼吸器感染症
呼吸器内科では、一般的な肺炎や高齢者に多い誤嚥(ごえん)性肺炎以外にも、結核や非結核性抗酸菌症、肺真菌症などの慢性的な気道感染症の診療を行っています。痰の中にいる菌を調べたうえで治療効果の高い抗生物質を選んで投与しますが、痰が出ない場合には気管支鏡検査を行って、気道の中から菌を採取し、調べることがあります。
肺結核の場合は、排菌(口から外界へ菌が吐き出される状態)があれば結核専門病院に紹介していますが、排菌を認めない肺結核や結核性胸膜炎であれば、当院の呼吸器内科にて投薬治療を行います。
肺結核や非結核性抗酸菌症、肺真菌症などは、長い時間をかけて治療を続ける必要がある病気です。治療を不用意に中断したり薬を減らしたりすると、菌が耐性菌(抗生物質が効きにくい菌)に変化して治療しにくくなる場合がありますので、医師の指示通りに治療を続けてください。
非結核性抗酸菌症について
抗酸菌は、結核菌と、結核以外の抗酸菌(=非結核性抗酸菌)に分類されます。非結核性抗酸菌が肺に感染したものが非結核性抗酸菌症で、中高年の女性に多い病気です。
非結核性抗酸菌は、人から人へは感染しませんが、感染すると肺の中にゆっくりと広がっていき、抗生物質が効きにくいのが特徴です。無症状のことが多いですが、進行すると、咳や痰、息切れや発熱、体重減少などの症状が現れます。一般的には、非結核性抗酸菌症と診断された場合には、3種類の抗生物質を1年以上続ける必要があります。ご高齢の方や、副作用などで抗生物質が使いづらい方の場合には、あえて積極的に抗生物質を使わず、症状に応じた治療で様子を見ることもあります。