年齢とともに聞こえが悪くなる難聴です。
対応疾患 耳の病気
難聴(突発性難聴)
「朝起きたら片耳が聞こえなくなった…」などある日、突然発症する病気です。
症状
突然、片耳が聞こえにくくなることが多く、耳鳴りやめまいといった症状を伴うこともあります。発症率は3,000人に1人くらいといわれ、年齢に関係なく、若い方でも発症します。
検査
純音聴力検査、語音聴力検査、インピーダンスオージオメトリなどの検査を行います。
診断
聴力検査の結果から判断します。必要があれば、CTやMRI検査も行い、診断します。
治療
副腎皮質ステロイド薬、循環改善薬、ビタミン薬などの多剤併用療法を中心とした治療法を行うことが一般的ですが、当院ではこれにプラスして高気圧酸素療法が選択可能です。
難聴(老人性難聴)
症状
徐々に聞こえが悪くなる、話が聞き取りづらくなる
検査
純音聴力検査、語音聴力検査、インピーダンスオージオメトリなどの検査を行います。
診断
聴力検査の結果から判断します。必要があれば、CTやMRI検査も行い、診断します。
治療
日常生活の不都合があれば、補聴器を活用していただきます。
耳鳴り
周囲で音がしていないにも関わらず、音が持続的に聞こえる状態です。
急性の難聴の自覚症状が耳鳴りである場合があります。
診断
検査(聴力検査・チンパノメトリー・画像検査など)、診察により診断します。
治療
原因に応じて治療方法が異なります。
難聴が原因の耳鳴りの場合、難聴の治療を行うことがあります。
加齢に伴うものや、発症から長年経過している方は、お薬を飲んでいただいても治りにくいことが多いです。
滲出(しんしゅつ)性中耳炎
中耳(鼓膜の奥、神経の手前)の中の換気が悪くなることにより、液がたまり、鼓膜の張りに不具合を来す病気です。
原因として、耳管(中耳と上咽頭(のどの奥)をつなぐ管)の働きが、年齢的変化、アデノイドの肥大などによる閉塞により悪くなることが挙げられます。
症状
聞こえにくさ、耳がふさがったような違和感
診断
検査(聴力検査・チンパノメトリー)、診察により診断します。
治療
内服薬、耳管通気処置(鼻内から管を通じて空気を送ります)、鼓膜切開、換気チューブの留置などがあります。
- 成人の方の場合、局所麻酔で耳内の痛みを抑えて手術を行います。
- お子さまの場合、入院(基本的には2泊3日)していただき、全身麻酔下で手術を行います。アデノイド肥大との関連があれば、アデノイド切除術と同時に行います。
めまい
耳の中には、体のバランスをはかる部分である「前庭」があります。この前庭の不調により、めまいが起きることが多いです。
検査
全身のふらつきを調べる検査、目の動きを調べる検査、聴こえの検査を行います。必要に応じて、MRI・CT撮影を行います。
治療
発症の初期は、薬の服用と、安静にすることが大切です。
改善する時期には、めまい専用の体操を中心とした運動療法を行っています。
突発性難聴
特に原因もなく、突然起こる難聴です。
治療せずに放っておくと、症状が継続し、悪化していくことが多いです。
治療
ステロイドの点滴を行います。
※主に、入院しただいたうえで、ステロイドの点滴を行います。これは、体を休めるためと、ステロイド投与に伴い、副作用(血圧上昇など)が万が一発生した場合に備えるためです。
高気圧酸素療法もできるようになりました。
顔面神経まひ
脳の病気に由来しない場合の顔面神経まひの診療をしています。
子どものころに体内にもぐりこんだウイルスが、体の抵抗力が弱まったときに突然暴れ出すことが原因と考えられています。
症状
口から飲み物がもれる、まぶたが閉じられないなど
治療
ステロイドの点滴を行います。
※主に入院していただいたうえで、ステロイドの点滴を行います。これは、体を休めるためと、ステロイド投与に伴い副作用(血圧上昇など)が万が一発生した場合に備えるためです。
アデノイド
耳と喉の通り道の、喉の出口付近に、免疫をつかさどる「アデノイド」という部分があります。
3~6歳のころはアデノイドが発達しており、アデノイドが大きいと、通り道がふさがれ、中耳炎になりやすいため、手術を行うことがあります。
アデノイドを切除しても、免疫が低下することはありません。
症状
いつも鼻がつまっている、口を開けて呼吸をしている、いびきが大きい、痛くない中耳炎(滲出性中耳炎)に何度もかかるなど
治療
手術は全身麻酔下で行い、入院期間は約1週間です。
急性中耳炎
鼓膜のさらに奥が細菌感染を生じた病気です。
症状
多くの場合は、風邪をひいた後数日から1週間たって突然耳が痛くなります。
熱が出たり、耳漏が流れることもあります。
治療
数日から2週間の抗菌薬の服用で治癒することが多いです。
小児の場合は耳の治療を同時に行うこともあります。