泌尿器科・泌尿器腹腔鏡センター

概要

泌尿器科疾患全般にわたり、体への負担が少なく、術後の生活を考えた手術を行っております。たとえ、がんの治療のために手術が必要となっても、手術後の生活が手術前に比較して極端に制約を受けるようなことでは、良い治療と言うことはできません。私たちは特にこの点に留意して、治療を行っています。

50歳代からの検診を「前立腺がん」

診療内容

尿路悪性腫瘍、尿路結石、前立腺肥大症、女性腹圧性尿失禁など、泌尿器科疾患の治療に豊富な経験を有しています。

対応疾患

尿路悪性腫瘍

前立腺がん、膀胱(ぼうこう)がんに代表される、尿路上皮腫瘍、腎腫瘍、精巣腫瘍などの治療実績を多くもっています。最近、増加傾向にある前立腺がんに関しては、早期発見、早期治療に努めており、前立腺がんの根治手術では、入院から退院まで10日~2週間という短期間での治療が可能です。

前立腺がんについて

近年、開腹術は施行せず、体腔鏡を使用した低侵襲手術が行われるようになってきました。
当科においても、早くから体腔鏡下手術に着手しており、腎腫瘍、副腎腫瘍などの手術に関しては、体腔鏡下手術を第一選択としております。従来の開腹手術に比べ、術後の回復が早く、患者さんへの負担が少ないことが最大のメリットです。2008(平成20)年12月現在までに、約100症例の腎摘出術を経験しています。

膀胱がん

膀胱がんに対する手術では、膀胱全摘術後の尿路変更法として、可能な限り、ストーマを必要とせず、自然排尿が可能な「回腸新膀胱造設術」を行っており、患者さんの「生活の質」を向上させることをめざしています。

尿路変更法について

尿路結石

内視鏡による結石破砕術(PNL、TUL)を施行しております。複雑な形をしたサンゴ状結石に対しても、レントゲン透視下に腎ろうを作成することにより、最短期間での退院が可能です。

前立腺肥大症

老年期の男性にみられる代表的な病気です。手術療法を選択した場合、教科書的には、前立腺重量により、内視鏡手術、開腹手術の適応が決められていますが、当科では、ほとんどの症例を、より侵襲の少ない内視鏡手術で行っています。

前立腺肥大症手術
について

腹圧性尿失禁

中年以降の女性で、笑ったり、咳、くしゃみをすると尿漏れすると訴えられる方があります。この様な症状を認める女性はかなりいると考えられますが、羞恥心が先に立って、受診される方は少ないように思います。女性の場合、出産を経験すること、また加齢などの要因により、骨盤底筋群の弛緩が起こり、膀胱が下垂したり尿道の可動性が大きくなることで、尿が漏れやすくなるのです。当科では、女性のこの様な腹圧性尿失禁に対してスリング手術を施行しており、良好な成績を収めております。

腹圧性尿失禁について

医療設備

手術支援ロボット ダヴィンチ(da Vinci Xi)を導入しました

当科は泌尿器腹腔鏡センターとして、今回新たに「手術用支援ロボットda Vinci Xi」を山科地区で初めて導入することとなりました。
da Vinci Xiはこれまでの腹腔鏡下手術と比べ、より精度の高い手術の実施が可能となります。

現在日本の医療保険で認可されている泌尿器科手術

ロボット支援下前立腺全摘除術
Robot Assisted Laparoscopic Prostatectomy

前立腺全摘除術は前立腺がんの標準的な根治治療の一つで、前立腺の全てと精嚢を摘徐し、その後、膀胱と尿道をつなぎます。

ロボット支援下腎部分切除術
Robot Assisted Partial Nephrectomy

腎にできた腫瘍の部分のみを切除し、正常部分を温存する術式。腎臓の血流を一時的に遮断するため、迅速かつ確実な切除と縫合操作が必要となります。

ロボット支援下膀胱全摘除術
Robot Assisted Radical Cystectomy

膀胱の筋肉まで浸潤した膀胱がんや、悪性度の高い膀胱がんに対する根治的膀胱摘除術です。おなかの中を炭酸ガスで膨らまして行います。

ダヴィンチについて