放射線検査について

検査の目的・必要性

  • 放射線検査はエックス線を体に照射することで体内のさまざまな情報を得るもので、「病気を見つける」「病気やけがの状況を把握する」「最適な治療方針を決める」などの必要な検査です。
  • エックス線が人体に影響があると言われている影響よりも放射線検査によって得られる情報の方が有益だと判断された場合に行っています。
  • 当院の検査で使用する放射線の量は、体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量を使用しています。

被ばく低減の取り組み

  • 放射線が人体に照射される範囲は必要な部位とし、不要な被ばくを最小限にしています。
  • 各検査は、「体の大きさ」「検査目的」に合わせ適した放射線量で行っており、過剰な被ばくの心配はありません。
  • 「CT検査」「カテーテル検査」「核医学検査」では被ばく量を管理し過剰な被ばくがないかの確認を行っています。
  • 「医療被ばくガイドライン(低減目標値)」などの情報を収集し、被ばく低減の工夫や改善に取り組んでいます。

放射線被ばくの早見図

吸収線量=Gy(グレイ)

臓器・組織の各部位において単位重量あたりにどれくらいのエネルギーを受けたかを表す物理的な量

実効線量=mSv(ミリシーベルト)

臓器・組織で受けた線量を、がんや遺伝性影響の感受性について重み付けして全身で足し合わせた量

放射線の影響

確定的影響

一定の線量(しきい線量)以上の被ばくをすると現れる影響のことです。逆に放射線量がしきい線量以下では、症状は生じません。

スワイプ

しきい線量と主な影響
臓器/組織 影響 急性被ばく(mGy)
精巣 一時的不妊 150
永久不妊 3500-6000
卵巣 一時的不妊 650
永久不妊 2500-6000
水晶体 水晶体の混濁 500-2000
白内障 5000
脊髄 造血機能低下 500
胎児 胎児奇形 100
重度精神発達遅滞 5000

確率的影響

放射線を受けた分だけ影響が生じる確率が高まります。必ずしも影響が現れる訳ではありません。