小児の弱視予防・訓練
3歳半になったら眼科で目の検査を
弱視は手遅れになる前に治療を行うことが大切です。
視力は身長と同じで育つものです。 その間に見えにくい原因があると視力が育ちにくくなります。これが弱視の原因になります。 原因を取り除く治療を施すことによって、視機能の発達を促し、良好な視力を獲得することができます。 視機能の発達のピーク時である3歳時ごろに治療を開始することが重要なため、早期発見・早期治療が大切です
当院の視能訓練士は予防と治療を行います。 お子様の目のことで気になることや不安なことがあれば、できるだけ早く受診してください。
ものを正しく見るには 主に4つが 8歳ごろまでに必要です
-
1 視力(しりょく)
見る力
見る力が弱い場合、目薬や眼鏡による治療を行います。眼鏡を使っての治療の場合は、健康保健対象となります。
(※9歳未満のお子さまのみ)
小児治療用眼鏡について※公益社団法人 日本視能訓練士協会
-
2 同時視(どうじし)
両眼を同じように使う力
同時視は両眼視の一番基礎の力になります。ない場合は視力を上げる訓練を行い同時視訓練をします。
-
3 融像(ゆうぞう)
両眼で見た物を一つにする
この力が弱いと目の位置がずれやすくなります。融像の幅を測り、力の弱い子は融像訓練をします。
-
4 立体視(りったいし)
物を立体的に見る力
両目でものを見ると微妙に左右の目の距離がある分だけ見え方に差があります。 それを一つにまとめてみることで奥行き感をとっています。
この力が弱いと遠くの距離感をつかむことなどが難しくなるので立体視訓練をします。
検査の種類
-
屈折検査
近視・遠視・乱視・不同視などの有無をチェックします。
早期に屈折異常がないかを検査することは、弱視の予防に非常に大切です。
顎台にお顔が乗せることができるのでお子さまも不安なく検査を行うことができます。- 視力
-
視力検査
お子さまの興味を引く視標を見せて、固視・追視、見え方の左右差をチェックします。
一般に3歳以上になると自覚的視力検査が可能となります。
もっと小さなお子様でも検査の方法によっては可能です。- 視力
-
視機能検査
幼少期に視機能に症状がある場合は、学習・運動や生活環境の中でさまざまな問題が出てくる可能性があります。
8歳ごろに両眼視の機能に症状が発見された場合、機能そのものを元に戻すことは難しくなります。
早期発見することで機能訓練によって改善や正常な状態に近づけることができます。- 融像
- 立体視
-
斜視検査
両目の視線が揃わない斜視は、目の筋肉のバランスが崩れてしまっていることや遠視などが原因です。常に症状が現れることもありますが、時々症状が現れる場合もあるため、見逃してしまう方が少なくありません。
斜視は程度やタイプがさまざまなため、成長に伴って自然に症状が現れなくなることもありますが、治療が遅れることでずれている片目が弱視になってしまうこともあるため、
早期に適切な診断を受けることが大切です。