細菌検査室
感染症を起こす微生物(病原微生物)には、細菌、真菌(カビ類)、原虫、ウイルスなどがあります。細菌検査室では、そのなかで特に「細菌」および「真菌」を中心に検査しています。病原菌を特定し、さらにその菌に有効な薬剤を調べます。
業務紹介
塗抹(とまつ)顕微鏡検査
検査材料をガラス板に塗りつけ、染色し、顕微鏡で観察します。細菌の色や形から種類を推定します。細菌は非常に小さいので1,000倍の倍率で観察します。
培養・同定検査
さまざまな材料を培地という栄養分豊富な寒天に塗り、細菌を発育させ増やします。増やすことで、一つひとつは小さくて見えない細菌も大きさ数ミリの集合体となり、目で見えるようになります。この集合体の色、形、大きさなどから、細菌の種類を推定します。(培養検査)
塗抹検査と培養検査で推定した細菌が、発育するときに利用する栄養成分の種類や、その結果産生された代謝産物の特徴を利用して、細菌の名前を決定します。(同定検査)
結果が出るまで、通常、数日から一週間ですが、菌種によっては一週間以上かかる場合があります。
薬剤感受性検査
培養で感染症の原因菌が認められた場合、細菌に薬を混ぜて発育させ、その発育具合から効く薬を調べます。
迅速抗原検査
従来からの培養法による検査では、長い時間がかかるため、一部の細菌検査において、判定までの時間が短い迅速抗原検査法を採用しています。患者さんから採取した検体を用いて直接検査することで、迅速に結果が出ます。クロストリジウム・ディフィシル抗原やノロウイルス抗原、また、インフルエンザ抗原などがその対象となっています。