MRI検査

当院では磁気共鳴(MR)専門技術者が検査を担当しています

  • 解剖学・臨床医学の基礎知識を有し、MRI装置の性能を最高度に発揮させる教育を受けた専門技術者です。

3テスラMRI装置について

2013年末に最新鋭高性能3テスラMRI装置を導入しました。これにより、最新3テスラ装置と高性能1.5テスラ装置の2台体制となり、今まで以上に精度の高い正確な検査を、少ない待ち時間で受けていただくことが可能となりました。

▲シーメンス社製3テスラMRI装置
「MAGNETOM Skyra」

高画質、高精細な画像でより正確な検査を

「テスラ」とは磁力の単位です。磁気を使った健康商品などのCMで「○○ガウス」と言っているのを聞いたことがあると思いますが、「テスラ」は「ガウス」よりずっと大きな単位で、「1万ガウス=1テスラ」です。
MRI装置は、装置自体が大きく強力な超伝導磁石(リニアモーター新幹線と同じしくみ)になっており、この磁力が「3テスラ」あるのが3テスラMRI装置です。
MRI検査は、磁力の強さが画像の精度に関係しており、原理的には、3テスラMRI装置は、1.5テスラMRI装置の2倍のS/N比(=画質)を撮影することができ、3テスラMRI装置は、これまでの1.5テスラMRI装置よりも、さらに高画質・高精細な画像で、正確な検査を行うことが可能です

  • 体内に金属が入っている方や、検査する部位によっては、1.5テスラMRI装置の方が適している場合があります
  • ▲1.5テスラMRI装置の脳血管画像
  • ▲3テスラMRI装置の脳血管画像
    1.5テスラの画像に比べ、非常に細い血管まで観察できます。
  • ▲1.5テスラMRI装置の膝の半月板画像
  • ▲3テスラMRI装置の膝の半月板画像
    1.5テスラでは診断が難しいわずかな半月板損傷(丸印内に水平に見える白い腺)が観察できます。

広々とした検査スペース

3テスラMRI装置は、従来60cmだった患者さんが検査で入る穴の直径が70cmとなっています。
このため、非常に大きい体格の方でも検査が可能ですし、仰向けに寝るのがつらい方は、横向きで検査を受けていただけます。また、閉所恐怖症の方でも比較的安心して検査を受けていただけます。実際に検査を受けた閉所恐怖症の患者さんからは、「広くて明るいから大丈夫でした」というお声をいただいています。
さらに、快適に検査を受けていただけるよう、送風・照明コントロールを備えており、ご希望の患者さんはBGMを聞きながら検査を受けていただくことも可能です

  • …検査によりできない場合もございます。
  • ▲体重100kgの大柄な男性(仰向け)
    まだまだ広さに余裕があります。
  • ▲体重100kgの大柄な男性(横向き)
    大柄な方でも横向きに寝ての検査が可能です。
  • ▲女性2人が並んだ場合
    女性なら2人並んでも入れる広さです。
    ※広さを表現するために2人で入っていますが、実際の検査では2人で入ることはありません。

明るい検査室内(LED照明)

LED電球にはADコンバーターという部品が内蔵されており、これから出る雑音がMRI検査に影響を与えるため、これまではMRI検査室の照明には使用できませんでした。このため、MRI検査室は常に薄暗いイメージがありましたが、当院の3テスラMRI検査室では、特殊な方式でLED照明を使用可能にしたため、非常に明るく、また、環境に優しい検査室になっています。

1.5テスラMRI装置について

2024年4月に最新の1.5テスラMRI装置を導入しました。

フィリップス社製 1.5テスラMRI装置
【Ingenia Ambition 1.5T】

短時間で高画質の検査

SmartSpeedと呼ばれるAI搭載の最新技術により高速撮像が可能となりました。従来の1.5テスラMRI装置と比較して、30分の検査が20分で検査可能となりました。さらにDeep Learningというノイズを除去する技術も搭載されております。
これらの技術により、検査時間の短縮はもちろん高精細で高画質の画像を撮像することができます。

  • <従来 画像 3min03sec>
  • <Smart Speed AI 2min31sec>
<従来画像 3min03sec>
<Smart Speed AI 59sec>

歪みに強い画像

磁場の均一性が非常に高いのが特徴です。
1.5テスラならではの安定した画像が提供できます。

  • <頭部DWI画像>
  • <腹部DWI画像>
  • <乳房DWI画像>
  • <全身DWIBSの動画>

呼吸状態を観察しながらの検査

高性能赤外線カメラ(Vital Eye)により、呼吸状態を常に観察しながら検査を行います。感知が正確なため、鮮明な画像を呼吸同期で撮像することが可能です。

  • <Vital Eye なしの呼吸同期での腹部MRCP撮像>
  • <Vital Eye での腹部MRCP撮像>

快適な検査を

患者様に寄り添った検査を行います。

インボアシステム

特殊なミラーとヘッドホンを使用し、映像と音楽を鑑賞しながら検査を受けていただくことができます。
また、映像に合わせて照明が変化します。
閉所が苦手な方や初めてMRI検査を受けられる方も安心して検査を受けていただけます。
実際に、検査を受けられた患者様から「映像がよかった」「広くて明るいから大丈夫だった」「これなら検査を受けられる」など、ご好評の声を数多くいただいております。

患者様が選べるパネル

検査中に鑑賞する映像を選んでいただくことができます。
気軽にお声掛けください。

わかりやすい検査状況

検査終了までの時間を映像の下方に青いバーで表示していますので、検査の進行状況を把握することができます。
また、息止めが必要な検査では、タイミングや止める時間を音声と映像でガイドいたします。

広々とした検査スペース

従来60cmであった空洞の直径が70cmになったため、圧迫感の少ない検査が可能です。
また、非常に体格の大きな方でも検査が可能です。

▲体重90kgの男性でもまだまだ広さに余裕があります。

ストレスの少ないマット

検査台には低反発で厚みのあるマットを使用しています。
長時間の検査による体への負担を可能な限り低減させることができます。

ひまわりの壁紙

壁一面を“ゴッホのひまわり”にしました。
室内が明るく見えることで、リラックスして検査を受けていただけます。

対応疾患

主な部位

頭頸部(血管含む)、全脊椎、上腹部、骨盤内臓器、関節、乳房

主な疾患

脳梗塞、椎間板ヘルニア、靱帯・半月板損傷、肝胆膵腫瘍、子宮・前立腺腫瘍

検査費用の目安(3割負担の場合、診察料含む)

  • MRI検査…約7,500円
  • 造影MRI検査…約11,500円
  • 費用は保険や諸条件により変動します。詳しくはお問い合わせください。
  • この費用は、当院で検査を受けられた場合の金額です。国が定める診療報酬制度により、病院によって費用が異なりますので、ご注意ください。

検査の流れ・所要時間

  • 受付
  • 問診
  • 検査準備(約5分、造影検査の場合は注射を含めて約10分)
  • 検査(約20分、造影検査の場合は約30分)
  • CD・フィルム渡し
  • 会計
  • 検査部位、撮影範囲により検査時間が前後します。

時間外MRI検査について

予約枠の拡大により患者さんのスケジュールに幅広く対応できます。お仕事や学校帰りに検査を受けていただくことが可能です。
検査時間は以下の5枠となります。

月~土曜日:午後5時30分~午後8時まで対応

  • 午後5時30分~午後6時
  • 午後6時~午後6時30分
  • 午後6時30分~午後7時
  • 午後7時~午後7時30分
  • 午後7時30分~午後8時

時間外MRI検査一覧

ご依頼されることの多い頭部、脊椎をはじめ骨盤、四肢関節系の検査部位をご依頼いただけます。

  • ただし、単純MRI検査のみのご予約とさせていただきます。
    (夜間は放射線技師のみの対応となりますので、造影検査はお受けできません。)
  • 頭部MRI検査:頭部・頭部+内耳/眼窩・下垂体/脳頸部MRA
  • 脊椎MRI検査:頸椎・頸胸椎移行部/胸椎・胸腰椎移行部/腰椎・腰仙椎
  • 上肢・下肢MRI検査:肩関節・肘関節/手関節・手・股関節/膝関節・足関節・足
  • 骨盤MRI検査:前立腺・子宮卵巣/膀胱

予約方法(医療関係者向け)

地域連携窓口で承っております。
患者さんがMRI検査可能かあらかじめご確認をお願いいたします。下記に該当する患者さんは、安全上検査をお受けすることができません。

  • 心臓ペースメーカー、心臓ICD(体内除細動器)・安全性未確認の脳動脈瘤クリップ・人工内耳・眼窩内金属・脳神経刺激装置・水頭症治療で使われる磁性バルブ(検査後に再調整が必要なため)・磁性義眼、磁性義歯・強磁性体、磁石を使う医療器具を装着されている
  • 過去に事故などで金属が体内に存在している
  • 閉所恐怖症の方
連携窓口(地域連携課)

よくある質問

Q1

何度も続けてMRI検査を受けても大丈夫ですか?

A1
大丈夫です。MRI検査は放射線を使いませんので、被ばくの心配はありません。そのため、経過観察の検査にも適しています。
Q2

義歯・コンタクトレンズをしているのですが、外さないといけませんか?

A2
義歯は必ず外してください。
コンタクトレンズは、カラーコンタクトレンズのみ外してください。
Q3

補聴器を外すと全く聞こえないのですが、外さないといけませんか?

A3
補聴器をしたまま検査を受けると、補聴器が破損します。
検査説明は補聴器をした状態で行いますが、検査時は必ず外してください。
Q4

体内に金属を入れる手術をしたことがありますが、MRI検査を受けられますか?

A4
最近された手術でしたら、ほとんどの場合は検査が可能です。ただし、金属の影響で一部画像が不明瞭になる場合があります。しかし、昔された手術であったり、入っている金属の種類が不明な場合は、検査ができない場合があります。
手術を受けられた病院や医師にご相談ください。
なお、できるだけ安全に検査を行うために、体内金属のある患者さんの検査は、影響の少ない1.5テスラMRI装置で行っております。
Q5

MRI検査を受ける前に食事をしてもいいですか?

A5
上腹部(肝臓、膵臓、胆嚢、MRCPなど)、骨盤部(子宮・卵巣、前立腺など)の検査のみ、絶食をお願いします。それ以外の部分でしたら、単純・造影どちらの検査の場合でも、食事をしても大丈夫です。