CT検査
CT装置は、エックス線を使って体の輪切り画像が撮影できる装置です。「コンピューター断層撮影装置」とも呼ばれています。
当院では、2019(令和元)年9月にエックス線CT装置 SOMATOM Edge Plus128スライスを導入し、128列マルチスライスCTの2台体制で検査を行っています。
エックス線CT装置 SOMATOM Edge Plus128スライスについて
FAST 3D Camera
AI技術を用いて被検者の体型を認識し、最適線量による診断精度の高いCT検査が可能です。
低管電圧撮影
腎機能の悪い方の造影CTでは、造影剤を少なくする(2~4割減)必要がありますが、通常とほぼ変わらない画像を得られます。
Tin filter technology
画像化に不要なエックス線をできるだけカットし、被ばく線量を大幅に抑制します。通常の約1/3の線量で検査が可能です。
- 適応部位:眼窩・副鼻腔・四肢系の単純CT検査
金属アーチファクト低減
手術によりインプラントが入っている場合の金属アーチファクトが低減され、診断制度を上げることができます。
Dual-Source CT「Definition Flash」について
Definition Flashは、2つの管球と検出器が90度オフセットされた形で配置した先進のCT装置です。
CTの2つの管球が、それぞれ異なるエネルギーを使用することにより、これまで困難であった物質の同定(特定すること)や分別が可能になっています。
物質の同定機能を利用することで、肺組織に取り込まれる造影剤の量が同定でき、肺梗塞の初期診断が可能になります。
物質の判別機能を利用すると、以前では分離困難であった、造影剤が取り込まれた血管と骨の判別が可能になり、1枚の画像上で表示できます。
このCTを利用することにより、医学的・技術的にもさまざまな検査の応用が可能になっています。
胸部から足先までの広範囲の血管と骨の3D画像
被ばくについて
CT検査で一番の問題となるのは「被ばく」です。被ばくにも配慮して設計されたのがこのCT装置です。
被ばく線量は、「管電圧」と呼ばれるエックス線の強さ、「管電流」と呼ばれるエックス線の量、被ばくする部位(臓器)により決定します。
今回導入したCTは、管電圧と管電流を患者さんの体型や検査する部位によって適切に判断することにより、最適なエックス線を選択し、被ばくの低減を図っています。
また、2管球と128スライスを使用することにより、撮影時間を短縮し、被ばくを抑えつつ、高精細な画像を得る検査が可能になっています。
CT検査で発見できる対応疾患
主な部位
頭頸部、肺野、腹部、全身血管、冠動脈
主な疾患
脳出血、副鼻腔炎、肺疾患(悪性腫瘍、炎症、石灰化)、急性腹症、心疾患
検査費用の目安(3割負担の場合、診察料含む)
- 単純CT検査…約5,400円
- 造影CT検査…約9,700円
- 費用は保険や諸条件により変動します。詳しくはお問い合わせください。
- この費用は、当院で検査を受けられた場合の金額です。国が定める診療報酬制度により、病院によって費用が異なりますので、ご注意ください。
検査の流れ・所要時間
- 受付
- 問診
- 検査準備(約5分、造影検査の場合は注射を含めて約20分)
- 検査(約5分、造影検査の場合は約10分)
- CD・フィルム渡し
- 会計
- 検査部位・撮影範囲により、検査時間が延びる場合があります。
予約方法(医療関係者向け)
地域連携窓口で承っております。
詳しくはこちらよくある質問
Q1
食事はどうしたらいいですか?
ただし、水やお茶は飲んでいただいて結構です。そのほかの飲み物は、検査に影響する場合がありますので、お控えください。
Q2
薬は飲んでもいいですか?
Q3
CT検査とMRI検査とでは、どのような違いがありますか?
それぞれに得意分野が異なっており、病気やけがの種類・患者さんの状態などから総合的に判断し、医師が検査を指示します。
一例を挙げると、けがをして関節の中にある靱帯などの柔らかい部分が傷ついた場合は、MRI検査の得意分野になります。CT検査は、けがをして骨折した場合などに使用します。
CT検査は、微量ではありますが、放射線を利用するため、妊娠している方の場合には、注意して検査する必要があります。また、MRI検査は磁気を利用するので、体内に金属がある方の場合には、注意して検査する必要があります。
Q4
最新のCT検査でどのようなことが分かりますか?
最新のCT装置では、心電図を同期し、心臓の動きを見ながらCT検査をします。これは、以前よりも早く検査ができるという、最新のCT装置の利点を利用したものです。
当院に導入しているCT装置は、2つの管球を使用する事により、より高速に心臓の血管抽出を行うことができます。
Q5
CT検査は、どのような原理で画像をつくっていますか?
エックス線管と呼ばれる機械を用いて、エックス線を発生させます。このエックス線が、人体を通過する量を、検出器(カメラ)で感知し、特別なコンピューターで処理して画像をつくっています。
技術的な進歩により、白黒の輪切り画像も、さまざまな方向でつくることができます。
病気やけがの種類によっては、3Dのカラーの立体画像も作成できます。